自分にとって適量の元気が欲しかった

僕がアイドルを好む一つの理由として、自分にとって最適量の元気をアイドルから受け取りたいというのがある。僕も多くのヲタと同様に性格的に消極的な部分があって、ネガティブなことを考えがちなタイプだ。だからこそ、たまにポジティブな感情が物凄く欲しくなるんだけれども、誰かから元気をもらうという単純な目的も、現実世界では達成するのが結構難しかったりする。そもそも、会話してくれる相手が自分には居ないし、いたとしても一方的に興味のない話題を押し付けられたり、会話すること自体に疲れてしまったりして、上手く元気を享受出来ないような場面が現実では多い。

 

でも、アイドルを応援しているとそれを容易に達成することが出来る。曲や動画はいつでもどこでも好きなだけ見ることが出来るし、曲や画面の向こうの彼女たちは僕自身に話しかけてくることはない。だから、特に会話で起きるストレスを全く感じずに元気を受け取ることが出来る。ライブなんて最高だ。やっぱり目の前で大好きなアイドルが一生懸命に歌って踊っている姿を見ると、本当に元気を貰える。ここぞとばかりにヲタと一緒にMIXを大声で打つと普段抱えている嫌なことを一瞬だけでも忘れることが出来る。接触は少し緊張するけれども、アイドル側もプロだから、こんなコミュ障な自分に対しても適切な言葉を投げかけてくれる。こちらがネガティブな感情を抱くことはまず、無い。全体的に受け身だけれども、そういう元気の受け取り方が自分のようなタイプの人間にはぴったりとハマるのだ。

 

意外と忘れがちだけれども、アイドルの魅力の一つは単純に見ていて元気を貰えるということなのかもしれない。商業主義が露骨なほどに見え隠れする昨今のアイドル界隈で、この元気というテーマは今一度考え直してみてほしい部分であると思う。僕たちはアイドルから生きるための元気を貰っているんだ。