多くの人は他人から評価されることを求める。他人からよく見られようと、自分の身なりやステータスを気にすることが、もう一つの仕事になってるところがある。

 

多くの人は努力していると錯覚することが大好き。他人に努力していることを知って欲しくて、わざわざSNSで自分の努力を発信する。個人は努力発信型のメディアと化している。

 

人間は他人が大好きだ。賞賛されてちやほやされることは気持ちがいい。そして、そんな人が羨ましい。自分もそうなりたい。とほとんどの人が思う。

 

アイドルはこんな思考の人の集まりだと思っている。他人を重視することが人生の中で最も無駄であることを認識している人からすれば、虚栄心を満たしたがりのアイドルに対して魅力を感じることは無いはずである。しかし、それでもアイドルを好む人は多い。何故なのか。

 

それは、アイドルがプロだからである。プロが単純にかっこいいからである。僕はNHKが製作してるプロフェッショナル仕事の流儀という番組が大好きだ。どんな仕事であっても仕事に真剣に向き合い、努力し、成果に繋げている人は見ててかっこいい。僕はアイドルからもそんな「プロ」を感じて、好きになってしまった。

 

よく考えてみてほしい。

 

10代やそこらの年頃の女子がおっさんたちと一日中笑顔で握手をしているだけでも恐ろしくブラックな職であるわけだが、アイドルの仕事はそれだけではない。有名なアイドルになるとライブでのパフォーマンスを重視し、ほぼ毎日レッスンが夜遅くまで行われる。勿論このレッスンを学業と並行して行わなければならない。週末になると毎週のようにイベントが盛り込まれる。平日の疲れを完全に無視した、休みのない鬼スケジュールだ。これを笑顔で乗り切らないといけない。毎日、ブログやメールを書かなければならない。一般の人が毎日書くことをすぐに断念してしまうブログを、アイドルは淡々と書き進めていく。内容もファンのために、試行錯誤し面白いブログを追求している。アイドルはブロガーとしての素質があると思う。どうしてこんなことをしなければいけないのか、本当に理解出来ないことは多い。目の前に居るのはキモヲタだらけなのだ。アイドルを経て、成功するとは限らないのに。

 

僕はここまで人を動かしてしまう、自己顕示欲、虚栄心を満たしたいという欲求は本当に恐ろしいものだと思う。彼女たちは殆どが自分が他人から見て凄いと思ってもらいたいから、アイドルをしている。ただそれだけだと思う。ただ、「ただそれだけ」のために仕事に向き合うその姿は完全にプロだ。仕事のプロである。おそらく彼女たちは一般の企業でも活躍できるほどのプロフェッショナルだと僕は捉えている。そんなアイドルを僕は本当に大好きなのだ。